ぼうけんてちょうはどうやって作られているの?
こんにちは!髙橋です。
2月3日より絶賛発売中のぼうけんてちょうですが、お陰様で沢山のご注文をいただいております。在庫はございますが、お早めにご注文をいただければと思います。
さて、今回は『ぼうけんてちょう』の製造に関する部分を少しご紹介出来ればと思います。
ぼうけんてちょうは Made in Japan
『ぼうけんてちょう』は制作~流通までを全て日本国内で完結しております。 弊社と手帳制作に何十年もに携わっていただいている多くの協力会社様によって『ぼうけんてちょう』は作られております。今回は手帳製作の要ともいえる製本の工程についてご紹介いたします。
工程①:突き揃え
印刷した刷り本(用紙)はまず一番最初に紙のズレを整える工程から始まります。この工程をしっかり行うことで、後の工程の事故防止に繋がります。
工程②:断ち割り
ページ物の印刷物の場合、一枚の用紙には表面・裏面に複数のページが印刷されます。『ぼうけんてちょう』の場合は16Pですね。これを次の工程の【折り】でパタパタと折りたたむ準備をするために、寸分の狂いもなく半分に断裁します。この断ち割りの工程で1㎜でもズレが生じてしまうと見開きのカレンダーや地図のページがゆがんだり、ずれてしまったりするのでものすごく丁寧な作業が必要になります。
工程③:折り
先程の【断ち割り】で半分になった用紙をこの工程で正しいページ順番になるように折りたたみます。特に手帳に使われる用紙は一般の紙に比べて薄い為、しわにならないようにきれいに折るためには高度な技術が必要になります。
工程④:丁合
丁合とは、先程の【折】の工程で32Pに折りたたんだ『折丁』を1冊の手帳になるように順番に並べる工程になります。皆さんも目にしたことがあるかと思いますが、書籍の一番後ろに書かれている『乱丁・落丁の際はお取り替えいたします。』の乱丁・落丁とはこの工程で丁合ミスが発生したときに使われる言葉です。順番が違う(乱丁)・どこかのページが丸ごと抜けている(落丁)状態を指します。
乱丁・落丁は『背丁』というベタ印刷により確認しています。下の図を見ていただくとわかるかと思いますが、検知器以外にも目視でも検品することで発生を防いでいます。
工程⑤:糸かがり
手帳の開きと堅牢性の要ともいえるのがこの【糸かがり】になります。折と折が糸で綴じ合わせられているため、1枚単位でのページ抜けが発生しません。1年間の開閉に耐える必要がある手帳に適した綴じ方になります。弊社の糸かがりの糸には強度があり柔らかいナイロン製の糸が使用されております。
工程⑥:下固め
糸かがりされてまとまった本文の背中に糊を塗布し、折丁同士が離れないようにします。糊をかわし次の工程に進むために、一度バーナーで乾燥させる『焼き付け』という工程を経て、膨らんだ本文に上から圧を掛けてならしていきます。手帳の背の部分の耐久性、手帳の付け根と開口の厚みがほどんと変わらないようになるために必要な工程になります。
工程⑦:見返し貼り
本文と表紙とをつなぐための用紙になります。本文用紙よりも厚手な丈夫な紙を使用します。手帳の本文用紙は薄い為、破れたりしわにならないように見返しの用紙を貼り付けることで補強が出来ます。こちらも手帳の耐久性を高める上で重要な工程になります。
工程⑧:中表紙貼り
先程の【見返し貼り】工程でつけた見返しの紙に中表紙というさらに厚手の丈夫な紙を貼り付けていきます。この【中表紙貼り】という工程は差込型という製本の場合に発生する工程になります。ビニール表紙などの表紙素材に差し込む本側の表紙という意味になります。本の耐久性をさらに上げる工程になります。
工程⑨:寒冷紗巻き・ならし
背の部分の補強材になります。糸を編み込んだ寒冷紗を巻き付けることで、下固めと同様に背の部分の耐久性を増す効果があります。寒冷紗を巻き付けた後の工程は職人の確かな技術により、開きやすく使いやすい手帳は実現しております。
工程⑩:化粧裁ち(三方断裁)
化粧裁ち(三方断裁)とは、仕上げの為の断裁になります。仕上げの寸法通りに切ることできれいで滑らかな開きを実現させます。三方断裁ともいわれるこの工程の三方とは『天・地・小口(開口)』のことを指します。
色々と製本の種類はありますが、詳しくは過去のブログ『製本とは?』をご参照ください。
いかがだったでしょうか?手帳の製本の工程数が多いことに驚かれたのではないでしょうか?手帳は1年を通して何回も開閉し、記入する物なので堅牢性と手で押さえなくてもフルフラットな状態をキープできる製本がもとめられます。
弊社『ぼうけんてちょう』は冒頭でお伝えした通り、何十年と手帳製作を支えてきた多くの確かな協力会社によって品質を維持しております。お子様に初めてお使いいただく手帳が確かな品質のものであってほしいことより、妥協なく製作し自信を持って提供させていただいております。是非手に取っていただき、Made in Japan 品質をご確認いただければと思います。
また、今回『ぼうけんてちょう』の製本現場について撮影のご協力をいただきました菁文堂株式会社様には日頃より大変お世話になっております。
今回ブログでご紹介した各工程ごとの詳細についてもより詳しく解説しておりますので、よろしければ下記のリンクよりご確認ください。