草露白し くさのつゆ しろし
こんにちは、藤島です。
9月になった途端にすっかり涼しくなりましたね。
気がつけば空もいつのまにか少し高くなって、空の色も水色に・・・・風も心地よく、日一日と秋が近づいて来ているのを感じます。
9月は、和風月名で『長月』(ながつき)
秋は収穫の季節。「食欲の秋」とも言われますが、秋にも「七草」があるのをご存じですか?ただし、秋の七草は春の七草とは違い、食べるのではなく見て楽しむ、愛でる、秋の風情を楽しむためのものなんです。
秋の七草は、萩(ハギ)、女郎花(オミナエシ)、葛(クズ)、撫子(ナデシコ)、 桔梗(キキョウ)、藤袴(フジバカマ)、尾花(オバナ)の7種類の草花です。※尾花はススキの別名。
秋の七草は、薬用として用いられていました。萩の根は、咳止め、胃の痛み、下痢止めなど。 女郎花は根に鎮痛効果や抗菌、葛の根は漢方薬の葛根湯(かっこんとう)などに配合されてるもので、風邪薬として有名です。葛粉にしたものは、お菓子の生地や料理にとろみをつける時などに使われます。葛湯にして飲んでも美味しいですよ。撫子は煎じて飲む事で高血圧、むくみに効果があると言われてます。桔梗も煎じて飲む事で咳やのどの痛みに効果があり、 藤袴は乾燥させて飲むと糖尿病に効くと考えられていました。尾花の根や茎には、利尿作用があると言われてます。
9月7日~11日は、七十二候(しちじゅうにこう)で『草露白し』と言われ、夜の間に大気が冷え込み、草花や木に朝露が宿り始めます。降りた露が光り、白い粒の様に見えます。秋が深まり始めたと感じられる頃です。
カレンダーなどに記載されてる二十四節気は、皆さんもよくご存じかと思いますが、1年を5日ごとに区切って、季節を72に分けた暦の事を七十二候と言います。二十四節気は、中国から伝わったものをそのまま使っていましたが、七十二候は中国と日本とでは季節感のズレがあったため、日本独自にアレンジされたものが使われていました。過去に何度も改訂されてきましたが、現在一般的に使われているのは1874年(明治7年)の「略本暦(りゃくほんれき)」版です。
7日は、二十四節気のひとつである白露(はくろ)です。白露の時期は、食べ物が美味しくなる時期でもあります。この時期に旬になる食べ物は、秋刀魚、かぼちゃ、梨などです。秋刀魚と言えば100円ぐらいで購入できて庶民の味方といったイメージでしたが、7月に釧路市で初めて生秋刀魚の競りが行われましたが、なんと値段は1㎏4万円を超える過去最高値。今や秋刀魚も高級魚。毎年、無料でさんまが振舞われる「目黒のさんま祭り」も今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために中止となった様です。
9日は、五節句のひとつである重陽です。五節句とは、江戸時代に定められた5つの式日(今でいう祝日)で、行事と関係する植物の名前を冠して呼ばれることも多く、1月7日が七草の節句、3月3日が桃の節句、5月5日が菖蒲の節句、7月7日が笹の節句、9月9日が菊の節句となります。
「重陽の節句」は、菊を用いて不老長寿や繁栄を願う行事で、菊酒、被せ綿(きせわた)、菊枕、菊湯、菊合わせ、茱萸嚢(しゅゆのう)などの菊尽くしで厄祓いをしていました。 重陽の節句は秋の収穫祭と結びついているため、祝い膳には栗ごはん、秋茄子、菊をモチーフにした和菓子など、秋を感じさせる食材が並びます。
夏から秋に変わるこの時期は、朝晩の温度差が激しいため、皮膚や粘膜などが刺激されやすく、鼻・気管支・肺などの呼吸器系にもさまざまなトラブルが起こりやすい季節です。心の状態が不安定になりやすい時期でもあります。心の状態は免疫機能に影響を及ぼしやすく、感染症と皮膚の疾患にもつながりやすくなります。コロナ禍の今、免疫力を高める事は自分自身を守る事にもなります。 東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があります。心と体は一つである、という意味です。心を整えるためにも、まずは体のケアが大事です。在宅勤務で外出する事が減っていますが、 免疫機能を回復させるには、運動が効果的です。季節のよいこの時期は、秋の気配を感じながら散歩をする事で、体幹部の筋肉を鍛えることをおすすめします。